医療コンサルティング
医院(クリニック)の経営支援
高齢化社会に向けて、会計制度・税務、医療行政はめまぐるしく改正されており、医院を経営している院長様・理事長様は高度化・複雑化する医療技術・情報に没頭する日々を送られています。また、医院の経営的な課題もかかえています。
霞ヶ関税理士法人では、会計・税務のサポートはもちろんのこと、医療法や行政指導など幅広い観点から、経営に対して適切なアドバイスをご提供しています。
医院の業務においても、まずはお客様の考えや状況を把握することから始まります。そのうえで、現状の問題点を明確にし、その改善策をさまざまな角度から比較検討して、お客様にとって最適なプランをご提案いたします。
一例として、医療法人化があります。医院にとって、医療法人化は重要な局面となります。個人で多額の税金を納めていて、医療法人にしたほうが節税になる等の話は聞くが、医療法人化についてよくわからず踏み切れない先生もいらっしゃるかと思います。
当社では、そのようなお客様に対し、医療法人化のメリット、デメリットをしっかりとご説明させていただき、医療法人化のメリットがあるお客様に関しては、積極的に医療法人設立の手続きをさせていただいております。
以下に、医療法人化のメリット・デメリットをご紹介します。
医療法人設立のメリット・デメリット
医療法人化のメリット
税率が低くなる
個人事業で経営している診療所に関しては、高所得(所得税率40%、45%)になっているケースが多くあります。現在の日本の税制では、個人の所得税率は所得が上がれば上がるほど率が上がっていく累進課税制度が採用されています。
高所得者の税率を見ると、所得が1,800万円を超えると、住民税10%と合わせて50%、所得が4,000万円を超えると住民税10%と合わせて55%と非常に高い率の所得税が課されてきます。それに対して法人税に関しては、所得800万円までは約23%、800万円を超えても約34%ほどとなります。高所得の個人経営の診療所にとっては、医療法人化し、税率を落とすことが大きな魅力となります。
給与所得控除を利用できる
個人事業の場合には、院長自身の「人件費」という概念が存在しませんが、法人化すれば、院長(役員)の人件費を「役員報酬」として、費用処理できます。
さらに、この役員報酬は院長自身の「給与所得」に該当し、支給額から「給与所得控除額」(令和2年度最高195万円)を差し引いた額に所得税と住民税が課税がされます。
所得の分散
基本的には理事が3名必要になるので、理事への役員報酬の支給(金額は勤務実態により考える必要あり)により所得が分散され、所得税率が抑えられ節税効果を生むことができます。
退職金の損金算入が可能になる
法人は、個人事業主と違い退職金を支給することができます。
退職金は退職金規定を作成し、退職金規定に基づき適正な算出方法(最終月額報酬×功績倍率(社長であれば3.0倍程度が限度)×勤続年数)によって計算された金額で株主総会で決議されれば、全額を法人の経費とすることができます。
さらに、退職金は現状の所得税法では大きな節税メリットがあります。
①他の所得と合算されず、単独で所得税が計算される。(分離課税)
②退職所得控除という大きな控除がある。
勤続年数20年以下 40万円×勤続年数
勤続年数20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
③所得が半分になる。
退職所得の金額は、原則として、次のように計算します。
●(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額
退職金に備えて、会社に残す利益、毎年の役員報酬を考えていくことで大きな節税効果を生むことができます。特に役員報酬が高額になりがちな診療所にとっては役員報酬の設定と将来の退職金支給のバランスを考えることが大切になります。
安定した事業継続(事業承継)ができる
個人事業の場合には、院長自身が亡くなってしまうと、即「廃業」となってしまいますが、法人の場合には院長(理事長)が亡くなっても、新たに理事長を選任すれば事業を継続することができます。また、現在の医療法人は相続税の観点からもスムーズな承継が可能となっております。
その他
任意の会計期間を設定できる。
社会保険の診療報酬の源泉徴収がなくなる。
金融機関との関係が向上(印象が良くなる)。
個人の家計と医療事業の経理が分離するので、医療機器購入等の資金計画が明確にできる。
近代的経営による社会的信用の向上。
法人名義で資産を保有するため、医師個人とは別主体として存続する。
医療法人化のデメリット
役所への事務手続が発生する
医療法の規定により、毎年決算後に事業報告書等を作成し、所管の保健所に提出すること、及び資産の総額変更登記(毎年)、役員変更登記(2年毎)が必要になります。
但し、霞ヶ関税理士法人と顧問契約を締結していただいた場合、霞ヶ関税理士法人及び提携司法書士が代行いたします。
解散時の残余財産の帰属
医療法人の解散時に当初拠出額を超える部分に関しては国に帰属することとなります。
こうした帰属分が出ない形で解散できるよう管理していくことが大切です。
交際費を全額費用にできない
個人事業の場合には、事業に関係のある交際費であれば、全額を必要経費にできましたが、法人化すると、全額を法人の損金にすることができず一定額は課税対象(※)になってしまいます。
(※)年間800万円を超えた金額が損金にならない。
社会保険の加入義務
社会保険の加入は任意ではなく義務となります。
地方税均等割の発生
毎年必ず最低でも7万円の法人住民税が発生します。
医療法人設立手続
医療法人を設立するまでの手続は、各都道府県によって若干異なりますが、概ね下記のとおりです。
医療法人設立手続の流れ
手続きの出発点である医療法人の設立説明会は年2回(4月、10月)しか行われず、かつ登記完了までにおよそ6ヶ月を要します。そのため、事前に医療法人を設立する時期を決めて、逆算で設立の準備を進めていく必要があります。
日程A | 日程B | 所要期間 | 工程 |
---|---|---|---|
4月 | 10月 | 約1ヶ月 |
1.医療法人設立説明会
2.定款の作成
3.設立総会の開催
4.設立認可申請書類の作成
|
5月 | 11月 | 約3ヶ月 |
5.設立認可申請書の提出(仮受付)
6.設立認可申請書の事前審査
|
7月 | 1月 | 約1ヶ月 |
7.設立認可申請書の提出(本申請)
8.医療審議会への諮問
9.医療審議会から答申
|
8月 | 2月 | 約2週間 |
10.設立認可書交付
11.設立登記
12.登記完了
|
9月 | 3月 |
13.登記完了届
|
設立登記後の手続
●保健所
診療所開設許可申請
診療所開設届など
●社会保険事務所
保険医療機関指定申請など
●税務署・都道府県税事務所
事業開始届など
の手続が必要になります。
アウトソーシング
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