財産塾かわらばん 7月号 「賃貸物件建築の消費税還付」

~ 消費税還付をうけるためには ~

(1)消費税還付

以前のかわら版にも書きましたが、このところ賃貸物件を建築したときに支払う消費税の還付を
受ける方が急増しています。
あまりに多いので、税務当局は改正に動いています。今年度でできなくなるかもしれません。
どういう風に改正されるかで、本来的にうけられる方にも影響する可能性があります。
還付のうけられる仕組みは簡単にまとめますと、次のようになります。

①消費税は物やサービスうけたとき支払、その支払を受けた事業者が1年間
預かった消費税から自ら支払った消費税を差し引いて税務署に支払うことになっています。
②そのとき、預かった消費税以上の消費税を支払ったときは、逆に還付を受けることができます。

これを、不動産賃貸業で建築したときにあてはめてみますと
賃貸収入をうけるとき、消費税を預かります。例えば200万の収入で消費税10万預かり
建築費1億円で、消費税は500万支払ったとき、10-500=△490万が還付されることになります。 
この例は消費税のかかる駐車場や店舗賃貸のみ例です。昔から還付を受けていました。

今さかんに還付をうけているのは、居住用の賃貸物件建築の方々です。特に初めての方々です。
居住用の収入には消費税がかからないため、上記のように単純にいかないため、一部の税理士しか
実行されていなっかったのですが、ネットやセミナ-で盛んにそのやり方が公表され周知された
ためです。

そのポイント羅列しますと

①消費税の還付を受けるには、申告をする義務のある事業者です。消費税のかかる売上が
1000万以上必要ですが、それ未満のときは納税義務者になる届を事前に提出する。
消費税課税業者選択届です。
②差し引かれる消費税は消費税のかかる収入に対応するものでないと直接的にひけません。
そのため、本則法の個別法でなく、一括比例法で計算します。
一括比例法は支払った消費税を売上のなかの、消費税のかかるものと、消費税のかからない
売上の比例で計算する方式です。消費税のかかる売上が多いほど還付金額は多くなります。
そのために、一部の方がアパ-ト収入に消費税はかからないため、その代用として、飲み物の自動販売機を設置して課税売上をつくり、還付を受けたりしました。現行法上は有効ですが。

さらにはこの比例割合をたかめるため、期間特例の届けを事前に提出。本来消費税の計算期間は
1年間ですが、1月単位、3ヶ月単位に変更できます。そうすることで、建築の時期の消費税計算
を有利にできます。
例えば、他に収入のない個人の方が9月にアパートが完成して、消費税を支払うとき、7月から9月に
自動販売機の売上数万の消費税預かり、建築費支払で何百万の消費税の支払い売上の割合は
自販機の課税売上のみで100%控除。よって、消費税は100%近く還付
もし、期間の特例が提出ないときは、7月から12月の計算で10月からの消費税のかからない
アパート収入で売上割合が変わり逆に数%しか引けなくなり、納税することになります。
  
当事務所でもここ一年間で10件近く還付をうけましたが、まじかに建築予定のあるかたはご相談
下さい。 なお、還付をうけるには事前の申請と条件が合致しないとできません。

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