財産塾かわらばん 7月号 「相続手続シリーズ その②財産探し・財産調べ」

前回に続いて…

相続が発生したとき、最初に気になるのは財産の状況がどうなって
いるかということです。
相続人と話し合うにも、財産が見つからないことには話し合えません。
生前にその辺を教えてもらっていれば良いのですが、意外と相続人も
知らないケースが多いものです。

【財産の探し方】

家捜しで分かるもの
財産探しは金庫や机等から始めます。
そこで遺言書があったり、通帳、証書、株券等などの実物があれば
スムーズにいくのですが、問題は、それらがあまり出てこないとき、
生前にそれとなく聞いていたより少ないときにどう調べるかということ
です。

通帳を見て、保険料の支払、配当金の入金、貸金庫の手数料の引落し
等があれば、そこから分かります。
次に、連絡メモ、電話帳、名刺、カレンダーから、ネットをしている方の
場合はコンピュータのマイドキュメントなどを検索します。
最後は関係者に聞いて回るしかありません。

わかりづらいもの
わかりづらいものとして、名義が違う預金や株式があります。
以前は簡単に他人名義の預金口座が作れた関係で、実は相続人の
ものなのに、相続人以外の名義のものもあります。

他には、無記名割引債、遠くにある不動産・預金、全額一時払保険、
郵便局の預金・保険関係などがあります。

友人、知人への貸付金は、借用証書があっても、それが今も有効
なのか、返済は終了しているのか分かりません。
相手からの聞き取りと通帳の出入りから判断するしかありません。

住所変更があったりすると、連絡が途絶えてそのままになっていたり
することもあります。

不動産関係

不動産関係は、意外と分かりやすいです。
毎年、固定資産税の請求が市役所等から送られてくるので、それから
分かります。

あるいは、各所在地の市役所等の固定資産税課に名寄帳( ※)を請求
する方法もあります。

名寄帳(※) … その市にあるすべての不動産を名前ごとに
網羅したもの。
  
ただし、共有になっている不動産で、他の人に通知がいっている
ときはもれることもあります。 

債務関係

次に、債務関係として、借入金等を知る必要があります。
借金が財産より多くありそうなときは急ぐ必要があります。
相続放棄や限定承認の手続きを相続発生から3ヶ月以内にする必要が
あるからです。

債務でわかりづらいのは、保証人になっているときです。
本人が支払わないとき、請求が相続後にくる可能性があります。

次回は…
『財産分け』についてのお話です。

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