財産塾かわらばん 7月号 「サラリーマンでも相続税を納める?」
サラリーマンでも相続税を納める?
現在、東日本大震災の影響で税法の改正案が国会を通らず、しばらく棚上げになって
いるのですが一段落したら、相続税・贈与税の改正されるであろう部分のうち、
2つ紹介します。
●相続税の基礎控除の引下げ
基礎控除があるせいで、ほとんどの人が相続税を納めないですみましたが、
これからはそうも言っていられない状況になる、基礎控除の4割減です。
・今までは…5千万円+1千万円×法定相続人の数
(たとえば父死亡で、奥さんと子供2人が相続人だった場合、7千万円)
・改正後は…3千万円+600万円×法定相続人の数
(7千万円から4200万円へ)
●相続時精算課税制度の見直し
相続時精算課税制度とは、65歳以上の親から20歳以上の子に対して、一人当たり
2500万円までの贈与について、きちんと申告すれば、とりあえず贈与税を
納めなくてよい制度です。
また、2500万円を超えてしまったなら、2500万円を超えた金額に20%の
税率で贈与税を納めておきます。(親が亡くなった時に、相続税の申告で精算します。)
改正によって、親の年齢が65歳以上から60歳以上に引き下がり、20歳以上の子
だけでなく、20歳以上の孫もOKとなり、贈与の幅がぐんと広がる予定です。
景気が低迷していることで、親の相続を待たず、生前の贈与によって若い世代に
早い時期に資金を動かし、資産の形成等を活発化することなど、政策的に税制が
バックアップしています。