財産塾かわらばん 6月号 「相続手続シリーズ その①タイムスケジュール」
相続手続きのタイムスケジュールは?
大切な家族がいなくなると、しばらくは悲しみに暮れ、日々がどんどん過ぎて
しまいます。
それでも、相続が発生した場合、やらなければいけないことは待ってはくれません。
あまり考えたくないことですが、そんな場合の各種相続手続きを順を追って
ご紹介いたします。
1.相続の流れ
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7日以内 死亡届けの提出 死亡診断書を添付して市区町村へ届出
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3ヶ月以内 相続の放棄、限定承認 家庭裁判所に3ヶ月以内に申し立て
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4ヶ月以内 準確定申告 被相続人の死亡日までの所得を
税務署に申告、納付。
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10ヶ月以内 相続税申告 税務署に申告、納付
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1年以内 遺留分減殺請求 遺留分に見合う財産も
残されなかったという場合に、
財産の取り戻しを請求することが
できる。
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3年以内 未分割財産の分割 未分割申告した場合は分割確定し、
配偶者の税額軽減、小規模宅地の特例を
適用して更正の請求・還付を受ける。
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2.相続後の手続きで期限があるもの
◆ 健康保険証を役所へ返しに行く場合
健康保険 … 5日以内
国民健康保険 … 速やかに(一部の市の場合は14日以内)
◆ 遺族年金や寡婦年金の請求
国民年金 … 2年以内 厚生年金 … 5年以内
◆ 埋葬料をもらう場合 … 2年以内
【支給額】 健康保険のとき … 10万円以上
国民健康保険のとき … 5万円
業務上のとき(労災) … 31.5万円以上
◆ 生命保険の手続き
生命保険金の請求期限 … 3年(商法上は2年)
◆ 預金関係の手続き … 10年
3. 事業を引継ぐとき
亡くなられた方が事業をしていた場合、早めの手続きが必要です。
①税法関係の手続き
◆ 所得税関係
◇ 廃業届出書・開業届出書 … 亡くなってから1ヶ月以内
亡くなられた方が青色申告だった場合
◇ 所得税の青色申告承認申請書の提出
1/1~8/31までに亡くなった場合 … 亡くなった日から4ヶ月以内
9/1~10/31までに亡くなった場合 … 亡くなった年の12/31まで
11/1~12/31までに亡くなった場合 … 亡くなった翌年の2/15まで
◇ 所得税の青色事業専従者給与の提出
その年の1/16以降に事業を引き継ぐ、
専従者がいることになった場合 … 左記に該当した日から2ヶ月以内
上記以外の場合 … 3/15まで
◆ 消費税関係
亡くなられた方が消費税の申告をしていた場合はこれらの届出が必要に
なる場合があります。
《被相続人(亡くなられた方)に関する届出書》
◇ 個人事業者の死亡届出書 … 速やかに
《相続人に関する届出書》
◇ 消費税課税事業者届出書 … 速やかに
◇ 消費税課税事業者選択届出書 … 相続のあった日の属する
課税期間中(相続のあった年の
12/31まで)
◇ 消費税簡易課税制度選択届出書… 相続のあった日の属する
課税期間中(相続のあった年の
12/31まで)
②会社法上(役員変更)の手続き
亡くなられた方が会社の役員をされていた場合、以下の手続が必要です。
◇ 株主総会 … 招集から2週間以上後
役員の死亡報告及び後任役員の選任
株主総会議事録の作成
◇ 取締役会 … 招集から7日以上後
後任代表取締役の選任 取締役会議事録の作成
◇ 役員変更登記 … 就任確定から2週間以内
法務局に登記申請