財産塾かわらばん 5月号 「寄付で援助と節税をする」
寄付金控除
東北地方太平洋沖地震によって未曾有の災害が発生しています。
一方、被災者に対しての義援金がぞくぞくと集まってきます。
今回は義援金・寄付金についての税金関係のお話です。
寄付によって税金の一部が減額されますが
寄付金控除を受けるには一定の手続きが必要です。
市役所や街頭の募金箱に義援金を何百万入れても控除は受けられません。
一定の指定されたところに寄付し、その証拠となる領収書等が必要になります。
申告も必要です。
寄付金の種類
次の寄付金が対象になります。
◆国等に対する寄付金
国や地方公共団体に直接寄付した場合
日本赤十字社の東北関東大震災義援金口座に直接寄付
県の災害対策本部等に対して義援金の支払
その他
募集団体の受ける義援金等が、最終的に国や地方公共団体等に
拠出されるもので、税務署がその事が確認できれば該当します。
◆特別寄付金
中央共同募金に対して義援金支払
認定NPO法人に対する寄付金
災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等
◆被災された取引先に対する寄付
法人が取引関係維持・回復を目的として、災害を受けた企業が通常の
営業活動を再開する復旧過程にある期間について支出する災害見舞金は、
交際費に該当せず損金に算入。
◆法人が自社製品を被災者に提供した場合
法人が、不特定多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等に
要する費用は寄付金・交際費に該当せず。広告宣伝費として損金算入
されます。
寄付する人によって税金の控除も変わります
◆個人の場合 所得控除 ⇒ 所得税の減額
寄付金控除の対象額は
所得金額の40% と 寄付金 のいずれか少ない金額 - 2,000円 =
例
50万円寄付
所得金額300万円のとき
300万円 × 40% = 120万円
50万円の方が少ないので、それより2千円引いた…49万8千円を
所得控除として引く結果これに対応する所得税等が減額されます。
◆法人の場合 損金経理 ⇒ 法人税の減額
国や指定寄付金
全額損金になる
一般寄付、特定公益増進法人に対する寄付金
(資本金等の額 × 0.25% + 所得の金額 × 2.5% ~ 5%) × 1/2
◆相続の場合 相続財産より除外 ⇒ 相続税の減額
①相続によって受け継いだ財産を寄付する…相続発生から10ヶ月以内に
寄付を確定する。
②ご自身の財産を寄付する場合は遺言にその旨を書く(遺贈)。
③生前の寄付で所得税が減り、さらに相続財産も減ることによって
相続税も減る。
手続き
書類あつめ
いずれの場合もそれを裏付ける領収書等の資料が必要
採納証明書、募集団体が発行する預り証など
郵便口座で受け取る半券(受領証)
税務署に対しての資料添付して、その旨の申告をする。
義援金詐欺も横行しています。正しいところに寄付して、税金の控除も正しく受ける。
被災地の方々には一日も早い復興を望むものです。