財産塾かわらばん 4月号 相続財産の分割の仕方で相続税が減る!
相続税の基礎講座連載シリーズ⑧ 相続財産の分割の仕方で相続税が減る!
相続財産の分割の仕方で相続税が減る!
(一)十ヶ月以内の分割協議のすすめ
相続税の申告期限は、相続発生から十ヶ月以内です。実は、この十ヶ月とは、
通夜・告別式・初七日・四十九日・一周忌の準備等であっという間に過ぎてしまい
ます。しかし、十ヶ月以内に分割が固まれば相続税を大きく減らすことができます。
(二)申告期限までに分割できた場合に受けられる特典
①配偶者の税額軽減
配偶者の相続する財産のうち法定相続分の1/2と、一億六千万円のどちらか
大きい金額まで相続税がかかりません。
②小規模宅地の評価減
2月号で紹介した、自宅や事業用の土地についても、一定の面積まで5~8割、
評価を大きく減額できます。
(三)分割協議でもめないための準備
どうしても親族だけで話し合っていると感情的になりがちです。財産の正しい
価値を知ってから分割・申告するということもあるので、もめそうな場合は最初
から第三者にかかわってもらうのが賢明でしょう。
(四)遺言のこと
生前に遺言を書く、というのも、もめないための方法です。ただ、その内容が
特定の相続人に極端に偏った内容だったりすると、逆にもめる原因になるので、
できれば生前に相続人全員に内容を納得してもらった上で、遺言書を作成するなどの
配慮が必要です。
(五)法定相続分・遺留分とは
①法定相続分とは、各相続人ごとにどれくらい財産をもらえるのかを、民法で
定めた割合のことをいいます。子のある配偶者は常に1/2で、残りの1/2を
一定の割合で各相続人が相続します。
②遺留分とは、法定相続分の半分の割合で、やはり民法で定められています。
各相続人への最低限の保障といえます。
(六)特別受益者・寄与者
①特別受益者とは、相続前に故人から財産の贈与を受けている人をいいます。この
贈与を受けている部分を加味して分割を考えます。
②寄与者とは、故人の財産を築くために一緒に協力した、あるいは、故人の介護に
努めた等の相続人をいいます。その貢献度を分割の際、考慮します。