財産塾かわらばん 11月号 相続税の納税方法について

相続税の基礎講座連載シリーズ⑮ 相続税の納税方法について

相続税の納税方法について

相続税は相続開始から10ヶ月以内に現金納付するのが原則です。
現金で一括納付できないときは延納、それでもできないとき、物納になります。
各々の方法のポイントを説明します。

(一)現金による一括納付

故人がもっていた現預金、相続発生で入金した保険金や退職金などで納税します。
相続人自身がもっていた現預金も対象になります。

(二)延納

延納とは要するに分割して納付することで、金利が付きます。
財産の中の不動産の占める割合によって、金利は2.3%から6.0%で、延納期間
は5年から20年です。毎年の収入から長期間にわたって分割払いするのは意外
と大変です。
税金や生活費を引いた残りから支払うため、資金計画をしっかり立てる必要が
あります。
他に、金利によっては銀行等から借入して一括納税したり、延納をとりあえず
申請して、価格をみながら不動産や株式を売却して納税を行うことができます。

(三)物納

相続した土地等そのものを納税する。税務署に売却するのと同じです。
価格は相続の時の評価額ですので、価格によっては第三者への売却と比較検討
する必要があります。物納の要件は近年より厳しくなっていますので、準備が
必要な反面、譲渡税や仲介手数料がかからない利点もあります。
物納できる財産の順番として、 ①国債・地方債 ②不動産 ③社債・株式等
④動産の順です。
物納が不適格な財産として、抵当権付き不動産、境界がはっきりしていない土地
や実測されていない土地、管理処分できない財産などです。
相続の申告期限までに分割や物納要件等を整える必要があり、時間との戦い
になります。

どのように納税するかは、相続財産の構成や財産総額、相続税、毎年の収入・
税金・生活費等を計算すればある程度予想ができます。
事前に計画をたて、準備することをお薦めします。

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